今回は、日本で市販販売されているレベル3の自動運転を搭載した市販車両 ホンダ LEGEND について紹介します。
世界で最も早く販売されたレベル3を搭載した自動運転車両は、ホンダのLEGENDになります。
LEGEND (ホンダ/2021)の詳細
車両価格
レベル3の自動運転を搭載したLEGENDは、税込み1,100万円で販売されました。自動運転を搭載しない通常のLEGENDは、約700万円であり、およそおよそ400万円アップとなりました。
実は,LEGENDですが通常販売はされておらず、法人向けの販売のみであったという話も聞きます。
また、LEGENDには複数のLiDARセンサと呼ばれる非常に高価なセンサが搭載されております。(一般にLiDARセンサ1台あたり100万円はします)そのため、この価格での販売ではあまり利益は見込めず、赤字である可能性が極めて高いと推測します。
どちらかというと販売による収益の獲得ではなく、世界ではじめてレベル3自動運転を搭載した市販車両の販売を実現したという実績作りのための販売であったことが想定されます。
自動運転機能
LEGENDには、以下に示す自動運転機能が搭載されています。(特にLEGEND独自の機能は太字)また、下記のシステムを総合して「Honda SENSING Elite」という名前が付けられています。
- Traffic Jam Pilot
- 自動車線変更機能
- 緊急時自動停止機能(Emergency Stop Assist)
- 自動車間距離制御機能
- 車線維持支援システム(Lane Keeping Assist System: LKAS)
- 前方障害物検知と自動緊急ブレーキ(Collision Mitigation Braking System: CMBS)
各機能の詳細は後述しますが、まずはこちらの動画を見ていただくとLEGENDに搭載された自動運転システムのイメージがつかめると思います。
Traffic Jam Pilot
「Traffic Jam Pilot」機能は、交通渋滞時において特定条件下で運転者に代わって車両を制御します。時速50km未満で走行している際に作動し、アクセル、ブレーキ、ステアリングの制御を車両が自動で行うため、運転者は手を離しても安全に走行が可能です。この機能により、運転者は一時的に車内でリラックスしたり、他の作業に集中することができます。
他の市販車両に搭載されているレベル2以下の自動運転システムは、ドライバーが周囲の状況を監視する必要がありますが、Traffic Jam Pilot はレベル3の自動運転システムとなり、ドライバーによる周囲の監視は必要ありません。
上に掲載した動画においても渋滞時における Traffic Jam Pilot を利用しているシーンがありますので、是非そちらをご覧下さい。
自動車線変更機能
Honda SENSING Eliteに搭載されている自動車線変更機能は、高速道路などでの走行中に、車両が自動的に車線変更を行う先進的な運転支援機能です。この機能は、運転者がハンドルから手を離した状態(Hands-off)でも作動し、周囲の交通状況を認識しながら、システムが必要と判断したタイミングで自動的に車線変更を行います。
こちらについても、動画の方がイメージがつきやすいと思うのでこちらをご覧下さい。
動画を見ていただくとわかるように非常にアグレッシブに、前の車を追い越すように自動車線変更を行っていることが分かります。他の車両であるような、車線変更前にユーザからの入力を必要とすることなく、どんどん勝手に車線変更していることが分かります。
緊急時自動停止機能(Emergency Stop Assist)
緊急時自動停止機能は、車両が自動運転モードで走行している際に、運転者がシステムからの警告に応答しない、または体調不良で適切に運転を続けられない場合に作動します。システムはまず運転者に複数回の警告を発し、それでも運転者からの反応がない場合は、自動的に車両を減速させ、最終的に安全な場所で停車させるように制御します。
その他にも、LEGENDには通常のHONDA SENSINGに搭載された自動運転機能が利用可能です。
搭載センサ
LEGENDNには、おもに以下の4つのセンサが搭載されています。
1. LiDAR(ライダー): 高精度の環境認識を行うためのセンサーで、距離情報を取得します。自動運転や高度な運転支援に利用されます。
2. ミリ波レーダー: 長距離の物体検知が可能で、車間距離を保つクルーズコントロールや緊急ブレーキシステムに使用されます。
3. カメラセンサー: フロントやサイド、バックに配置されており、周囲の車両や歩行者、標識などを認識します。物体認識や自動駐車支援などに利用されます。
4. 超音波センサー: 駐車時や低速時に車両周囲の障害物を検知し、衝突回避をサポートします。
LiDARセンサ
LiDARセンサ
LEGENDNには、前方に2つ、後方に3つのLiDARセンサ搭載されています。
配置は以下の図が非常に分かりやすいので、引用させていただきます 。
出典 https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1309/878/html/061_o.jpg.html
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